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建築士から家政婦へのキャリアチェンジ |自分の天職に辿り着くまで

日本でどんな仕事をしていたのか聞かれ、一級建築士をしていたと言うと、口々にカナダでもアーキテクチャーやりなよ!!と言われます。

私もそれについて何度も考えライセンスを取るために学校探しまでしましたが、どうしても入学には踏み込めませんでした。

そして今は家政婦のお仕事の道を選んで良かったと心底感じています。

今回は建築士のお仕事と、家政婦のお仕事についてお話したいと思います。

だれか興味あるかな・・・

建築との出会い

建築の道に出会ったのは高校受験を控えた中学生の時でした。

進路相談で担任の先生に「算数が好きです」と、今考えるととても雑な自己分析を投げました。
先生はそんな雑なボールに対し、「普通科・理数科・建築科」の3つの選択肢を返してくださいました。

建築なんて親も親戚も誰も関わっていなくて全く未知の世界でしたが、学校を卒業すると建築家に向かうというゴールが明確になっていて、しかも分野によっては算数(というより物理)が重要だとのこと、とても魅力的でした。

結果、建築を学ぶことは私にとって物凄く楽しいこととなりました。
その世界を与えて下さった先生には今でも感謝しています。

高校では建物はどういうふうにできているのか、壁の中はどうなっているのか、床の下はどうなっているのか、図面を模写しながらワクワクとしていました。

大学ではこのぐらいの力に耐えれる柱を設計するならどのような材料でどのような断面にする必要があるのか、計算や実験をするのが楽しかったです。

建築雑誌を読んで、名建築と呼ばれる建物のコンセプトやストーリーを知るのも何とも言えぬ感動がありました。

建築士として働く

実際に建築の仕事に携わると、自分には合っていないことに気づきました。
厳密には何故こんなに苦しいのか分からないまま仕事から逃げるようにカナダに来たので自分に合っていなかったとハッキリと分かったのはごく最近のことです。

朝の6時に家を出て朝の1時に帰宅するような生活だったので頭がパニック状態で考えられなかったんだと思います。

建築士としての仕事は常に何かを選択する決断を迫られるものでした。デザインのアイデアや建物の機能性、コストのバランスなど、多くの要素が絡み合い、最善の選択をすることが求められます。

例えば、解放感のあるデザインを重視すると強度はそこそこになる。
解放感も強度も重視すると、特殊な材料が必要でコストがかかる。

お客様のご希望とご予算、デザイン、強度、現場の状況などなど

全てに正義がありますがすべてを選ぶことはできません。何かを割り切る決断が必要です。
これは私にとって大きなストレスとなりました。常に最適解を選べているか自信が持てず、迷いながら仕事をする日々に不安がありました。

また、私は構造設計と呼ばれる建物の強度に関する設計をしていたので建築に携われば携わるほど自分の設計した建物が増えるとともに地震がくるのがどんどん怖くなってきました。

これが私が建築を学ぶのは好きだったけど仕事にするのが向いていなかった理由です。
学生と社会人合わせて13年、建築に夢中な日々を過ごしました。

家政婦が天職だと思った理由

カナダに来て英語も、もちろんフランス語も全く話せなかったので、あまり喋らない職種は・・・と考えてホテルのハウスキーパーを選びました。

その日の仕事がその日に終わるのがとても心地よく、綺麗になることが正解という世界戦で毎日達成感を感じて楽しく働きました。

その後コロナや色々なご縁が重なり、家政婦として独立に至ります。

家政婦になってみて初めて、私が求めていたのは日々の暮らしの中で人々の笑顔を見ることができる、建築よりももっと直接的な仕事だったんだと自分を見つめなおすことができました。

家政婦の仕事は、お客様が快適な環境で暮らせるように手助けする役割です。

トルドー首相の下で家政婦をしていた方と一緒に働いたことがあるのですが、彼女の出す空気感は実家にいるような安心感と心地よさを感じました。
カナダにいるのに、お仕事中なのに、実家で母がお茶を入れてくれるような安らぎがあり、涙が出そうになりました。
そんな家政婦になりたいと思いました。

今では家政婦の仕事は私にとって天職であり、自分が本当にやりたかったことだと確信しています。
建築とは違う面白さややりがいがあります。お客様との信頼関係を築きながら、彼らが幸せで快適な生活を送るお手伝いができることに、本当に充実感を感じています。

家政婦としての仕事も基盤にのってきたので、今後はまた自分の心の赴くままに、直接的な貢献ができるようInstagramにて情報発信を続けたいと思っています。

今回もまた最後までご覧くださりありがとうございました。

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