結論から言うと、カナダは水道水を直接飲んでも問題ありません。
ですが私は一度フィルターを通すことをオススメしています。
今回はカナダの水道水事情の解説と、直接飲まない方が良い理由、オススメのフィルターを紹介していきます。
カナダの水道水について
カナダの水道水は国が定めたガイドラインを基に、州や準州が水質担保の責任を持ち、地方自治体が運営して各家庭に水を届けているという建付けになっています。
そのため検査頻度や細かな基準は州によって異なりますが、共通しているのは水源から水処理場、家庭に届くまで厳格な基準が設けられているということです。
その厳格な基準とは水道水を直接飲んでも問題ないことを目標とする基準です。
水道水に関してはカナダ保健省(Health Canada)が研究しています。
カナダ保健省はWHOの飲料水に関するガイドラインの作成も担っているのでカナダは水質研究の先進国と言えるのではないでしょうか。
フィルターを使った方がよい理由
上記でカナダは厳格な基準と管理によって水道水を直接飲んでも問題ないとお伝えしましたが私個人の意見ではフィルターを使った方が良いと考えています。
その理由を4つお伝えします。
理由1 水質汚染があった場合の連絡が遅れるから
蛇口から水が出るまでには、水源、水処理場を含む多くのルートを辿ってきます。
多くのルートを辿るぶん、水質汚染の可能性が高く、一般市民へ連絡が来るのが遅れる可能性が大いにあるからです。(カナダの仕事のスピードをお忘れなく)
理由2 そもそも水質汚染の連絡をキャッチできない
以前住んでいたモントリオールではBoil water advisory(水道水は沸騰させてから飲んでください)という警告がしばしばでていました。これ気にされたことありますか?今日の水道水は安全かな?と自分から調べにいく人はなかなかいないですよね。ほとんどの方が偶然ニュースで見かけたり、口コミやアパートの張り紙などで気づくと思います。水道局からのお知らせ機能を使う手もありますが、実際1度経験してみないと機能しているかどうか確認できません。
つまり、警告に気づかず水質が保証されていない水を飲む可能性があるということです。
理由3 配管に問題がある可能性があるから
州や準州が責任を持っているのはあくまでも水そのもので、配管から鉛などが流出している場合は管理が行き届きません。
例えばモントリオールでは1970年以前に建てられた8戸以下の建物と、1940年~1950に建てられたものは水道管に鉛菅が使われている可能性があり、その水道水を飲むと人体に有害なので市が交換を呼び掛けています。
戦時中と戦後で物資が少なかった頃ですね。悲
参考:モントリオール市が警鐘をならす鉛菅についてのページはこちら
理由4 日本の国土交通省からは認められていない
2018年国土交通省の調査によると、日本人が世界で安全に水道水を利用できる国を発表したなかで残念ながらカナダはそのまま飲めないという発表でした。ちなみにお隣のアメリカは”そのまま飲めるが注意が必要”だそうです。
以上の理由により、私個人の意見ですが、フィルターを通したお水を飲むのが良いと考えています。
オススメのフィルター6選
ここでは私が実際に使ったことがあるものと、近々購入予定のウォーターフィルターを6つご紹介します。
お手軽なものからハードルが高いものまで、ご自身にあったものを選んでみてください。
オススメ1 ブリタのポータブル浄水器
とても有名なブリタのフィルター。一番の魅力はその手軽さです。水道から水を入れるだけ!
こちらはボトルにフィルターがついているタイプです。持ち運びに便利!
ワーホリさんなどあまり物を増やしたくない方に特におすすめです。
フィルター1つで500mlボトル300本分の浄水機能があります。または2か月ごとのフィルター交換を推奨しています。
塩素の味とにおい、銅、水銀、カドミウムを低減すると記載がありす。
オススメ2 ブリタの大容量浄水器
現在私が使っているのがこちら。
大容量なので一度に浄水できる量が多く役立っています。冷蔵庫にこのような状態で入れています。
実際ブリタを通したお水を沸かすと電気ポットに全くと言っていいほど水あかがつかないのでフィルターされている効果が実感できます。水道水用なので川の水には使えません。
オススメ3 バーキーの浄水器
お客様のおうちでちしばしば見かけるのがバーキーの浄水器です。ブリタの超高級版です。
キッチンカウンターの上に常温で置かれています。水道水を上部に入れると、下部に浄水が溜まっていきます。大容量なので家族向けです。
フィルターはこちら
【病原性細菌、シスト、寄生虫を完全に除去し、除草剤、農薬、VOC、有機溶剤、ラドン222、トリハロメタンなどの有害化学物質を抽出する。また、硝酸塩、亜硝酸塩、鉛や水銀などの不健康なミネラルを低減します。このシステムは非常に強力で、体に必要な有益なミネラルを除去することなく、水から食用色素を除去することができます。】と記載がありました。アウトドアで川の水にも使えますが、海水や軟水には不向きです。
オススメ4 蛇口を設置 アクアサナ
モントリオールに住んでいた時に実際に使っていたのがこちら。
シンクに穴をあけて蛇口をつけ、水道管と濾過装置をつなぎます。
キッチンシンクにインストールが必要で少しハードルが高いですが、一度つけてしまえば場所も取らず蛇口をひねるだけで浄水が出るのでとても便利でした。冷蔵庫の中にもブリタを置かなくて良いのでスペースができます。
赤丸で囲っているのがインストールしたものです。
良い画像がなくすみません。
フィルターはこちら。交換頻度は約半年。交換時期になると蛇口をひねるたびにピーと音が鳴ってお知らせしてくれるので、交換忘れを防げます。
鉛、水銀、アスベスト、農薬、医薬品、塩素、クロラミンを含む68種類の汚染物質を最大99%削減すると書かれています。
キッチンの水道水からはかなり強いカルキ臭がしていたのですが、こちらのフィルターを通した水は全く臭いがしませんでした。
唯一の欠点は、水が出るスピードがかなり遅い!という点でした。(それだけしっかり濾過されているという意味かもしれませんが)
1.7Lの電気ポットが満タンになるのに恐らく2~3分かかっていたと思います。
オススメ5 蛇口を設置 ウォータードロップ
上記の商品は水が出るスピードが遅いのが難点でしたが、こちらの商品を使っている友人が水のスピードもストレスなく使えてるよと勧めてくれました。近々購入予定です。
フィルターはこちら。
細菌、微生物、塩素、味と臭気、沈殿物、錆、重金属、0.01μm以上のあらゆる汚染物質を低減すると記載されています。
ウォータードロップは次に紹介する冷蔵庫設置タイプでよく見るメーカーです。
オススメ6 冷蔵庫に付いているタイプ
気軽に購入はできませんが海外らしいのでご紹介。
冷蔵庫に浄水器が直結しているタイプもあり、種類も豊富です。
多くのタイプはフィルター交換は1年に1度。
他のフィルターと大きく違うメリットは浄水で自動で氷も作られることです。
冷蔵庫を設置する際に水道菅とつなぐ必要があることを考慮して購入する必要があります。
まとめ
カナダの水道水事情について解説した内容をまとめます。
・カナダの水道水は国・州や準州・地方自治体により管理されている。
・水質の責任は州や準州が担っており、それぞれの細かな基準を設けている
・基本的には水道水をそのまま飲んでも問題ない
・水道水を沸かしてから飲みましょうという警告がでることがある
・日本の国土交通省はカナダの水道水に対して”そのまま飲めない”と発表している
・水質の警告の見逃しや配管問題もあるのでフィルターを通した方がよい
オススメしたフィルター6種について
・ブリタのボトルタイプは一番気軽に使え、特にワーホリさんにオススメ
・ブリタの大容量タイプは家族向けにも便利
・バーキーの浄水器は川の水でも使えるクオリティーで高級品
・アクアサナやウォータードロップからは蛇口とセットで浄水器がでている
・浄水機能付きの冷蔵庫もあり、浄水された氷が自動でつくられる
そもそも日本でも水道水はそのまま飲める品質ですが、浄水を使われている方が多いですよね。
カナダでもあまり恐れすぎずに、日本のような感覚でフィルターを使われてはいかがでしょうか。
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