カナダの水道水は軟水の地域もあれば硬水の地域もあります。
あなたのお住まいの地域が軟水か硬水か分かるサイトを掲載してる記事はこちら!
洗濯物の仕上がりが乾燥機を使用してもなんだかゴワゴワするな、色物を分けて洗濯しているのに黒ずんでしまうな、という方はもしかすると硬水が原因かもしれません。
今回は洗濯時の硬水対策に人気のある、天然成分ボラックスについて解説します。
・硬水で洗濯するとどうなるの?
・ボラックスって何?
・重曹と何が違うの?
・ボラックスの洗濯以外の便利な使い方
硬水で洗濯するとどうなるの?
硬水は軟水と比べてミネラル豊富で体にも良く、煮込み料理やあく抜きなどに向いていますが残念ながら洗濯には適していません。
ミネラルは洗剤に含まれる界面活性剤と結合することにより金属石鹸と呼ばれる石鹸カスになるからです。
石鹸カスは洗剤の洗浄力を大幅に下げてしまいます。
その上、洗いあがった洗濯物のあちこちにこびりつきます。洗濯を繰り返すうちに石鹸カスが衣服にどんどんと蓄積されていくので、衣類の黒ずみの原因になります。
また石鹸カスは厄介なことに洗濯物の洗濯槽や排水管にも付着します。
石鹸カスは非常に頑固で水には溶けません。石鹸カスの付着を放置していると洗濯機の故障や排水管詰まりの原因になることがあります。
硬水の洗濯に適したボラックス
アメリカ・カナダで洗濯の硬水対策に人気があるのがボラックスです。
ランドリーブースターと呼ばれています。
グロッサリーストアや薬局などの洗濯コーナーに置かれておりどこでも気軽に購入することができます。
水軟化作用
ボラックスには水軟化作用があります。水軟化作用とは、硬水に含まれるカルシウムやマグネシウムを取り込んで水の硬度を下げることです。これにより洗剤のもつ洗浄力を低下させず、石鹸カスの発生を抑制する効果があります。
アルカリ性
ボラックスはアルカリ性のため、洗濯液をアルカリに保ちやすくします。油汚れなどの酸性汚れにはアルカリ性が効果的です。
酵素安定剤
酵素が含まれた洗剤の、酵素を安定させる働きがあります。酵素は界面活性剤だけでは落ちにくいタンパク質などの汚れを分解してくれる役割があります。
ボラックスそのもので洗うのではなく、洗剤の威力を最大限に発揮させるための縁の下の力持ちなポジションですね。
洗濯での使い方
パッケージに書かれている内容を読んでみましょう。
洗濯ごとに1/2カップいれる。
(洗濯機のサイズとか水の量とか温度は書かれていません!雑!)
1/2カップって結構な量なので、逆に溶け残りを恐れて私は1/4カップ程しか入れていません。。
これを入れることにより洗剤の威力の低下を防ぎ、石鹸カスの発生を抑制してくれます。
洗濯槽に直接サラサラっと入れておしまいなので使い方はとても簡単です。
ところでボラックスって何?
ボラックスは日本語でホウ砂(ホウシャ)。
天然鉱物の一種で鉱物の名前がそのまま商品名になっています。
天然鉱物なので、ナチュラルクリーニング好きの方にも人気があります。
ボラックスはアメリカ・ロシア・ボリビアなどの塩湖が乾燥した跡地で産出されます。日本ではほとんど産出されません。
ボリビアの塩湖と言えばこの景色ですね。
乾燥剤や除草剤、殺虫剤にも使われています。
スライム作りにも活躍する原料です。
洗濯以外の使い方
ボラックスはザラザラとしたアルカリの粉なので、その特徴を生かして洗濯以外にも様々な使い方ができます。
粉がものすごーく舞うので詰め替えて静かに使うのがオススメです。詰め替え作業はできれば屋外で行ってください。小麦粉を詰め替えたことがある方はその10倍舞うと思ってください。
パッケージに書かれている使い方をご紹介します。
壁や床に
1/2カップのボラックスに2ガロン(7.57L)の温かい水を入れ、スポンジやクロスに染み込ませて壁や床を拭く
特に手垢や夏場の足跡などに効果がありますが、ニスやワックスがけ、オイル仕上げをしている家具や床には使わない方が無難です。
カーペットの染みに
1/2カップのボラックスを約500mlの水で溶き、染みに塗って30分放置。
30分後、水で濡らしたクロスでしっかりとすすぎとり、乾いたあと掃除機をかける。
天然成分とは言えアルカリなので刺激があります。小さな子供が吸い込まないようにしっかりと掃除機で吸い取りましょう。
ホーロー製のバスタブやセラミックのタイルの艶出しに
ボラックスをふりかけて湿らせたスポンジで磨く。粉末クレンザーのように使えます。しっかりとすすぎをしてください。
ボラックスをクレンザーとして使用する方法です。プラスチック製のバスタブは傷がついてしまうのでやめましょう。
トイレの消臭に
便器の掃除や脱臭に効果あり。1/4カップのボラックスをふりかけ、ブラシで磨いた後30分放置して流します。
ブラシを30分すすげないのは嫌じゃないですか?!気分がのればふりかけた後にブラシはせずに30分放置してすすいでいます。お客様の家で時々やりますが、自宅では正直やっていません。
排水溝やごみ箱の消臭に
・シンクの排水溝に大さじ3のボラックスを振りかけ、15分置く。水を流してすすぐ。
・空のゴミ箱をボラックスと温水で掃除し、よくすすぐ(分量記載なし)
どちらも消臭に効果があります。
私はお客様のお宅でゴミ袋を交換したときにボラックスがあればサラサラっといれています。簡単で消臭対策になるのでオススメです。
ボラックスはアルカリ性で研磨力があるので使うのを控えた方が良い素材があります。
・アルカリに弱い金属(アルミ・銅・真鍮など)
・大理石
・木のまな板
・漆塗りの器
・ニスやオイルで仕上げている家具や床など
重曹との比較
ここまで読まれてお気づきの方がいらっしゃるかもしれません。
天然なアルカリのお掃除グッズと言えば重曹(baking soda)があるのでは??
そうなんです、ボラックスと重曹は化学的には異なりますが、洗濯や掃除の面で言えば同じような使い方ができます。
どちらもキッチンやバスルームなどの掃除に役立ち、洗濯物の洗いあがりを爽やかにしてくれます。
また、どちらも環境にやさしく、ナチュラルクリーニングとして親しまれています。
ボラックスと重曹の大きな違いは2点あります。
・重曹は食用できるが、ボラックスは食用できない。
・重曹のアルカリ度は約PH8と低いのに対して、ボラックスのアルカリ度は約PH9.5と高い。
つまり、
・重曹の方がボラックスよりもマイルドな洗浄剤なので、万が一子供が触っても安心度が高い。
・ボラックスの方が重曹よりも洗浄効果が高い。
と言えます。特徴を理解して正しく安全に使いたいですね。
個人的にはボラックスの方が重曹よりもやや水に溶けやすい気がします。
最後に
今回は硬水での洗濯対策にアメリカ・カナダで人気のボラックスをご紹介しました。
・硬水で洗濯すると石鹸カスが発生する
・石鹸カスは衣類の洗いあがりを悪くし、洗濯槽や排水溝が詰まるおそれがある
・洗濯の硬水対策に人気のボラックスは塩湖跡地からとれる天然の鉱物
・重曹よりアルカリ度が高いので洗浄力も高い
・重曹のように研磨剤としても使える
・重曹のほうがボラックスよりマイルドで安心度が高い
・洗濯以外にも壁や床・カーペット・トイレ・バスタブ・ゴミ箱の消臭などにも使える
ブログランキングに参加しています。
クリックしていただけると励みになります!